令和4年度第30回技術研修会
「環境と防災と維持管理技術」を開催

 令和5年2月9日、唐津市高齢者ふれあい会館「りふれ」にて、令和4年度第30回ミラクルソル協会主催による「環境と防災と維持管理技術」技術研修会(共催:佐賀県ジオファイバー協会・佐賀県ニューレスプ協会・SSLアンカー協会)を開催し、官公庁・高校生・地元建設コンサルタント、建設業者、ミラクルソル協会等、134名の方々が参加した。

【9:00 ~ 10:30】
 冒頭、ミラクルソル協会理事長の原裕(日本建設技術㈱社長)は、「本日は年度末のお忙しい時に多くの方にご参加していただきありがとうございます。本日の研修会は、官公庁・高校生・コンサルタント・建設業者・ミラクルソル協会員等134名の出席をいただいています。また共催として佐賀県ジオファイバー協会・佐賀県ニューレスプ協会・SSLアンカー協会にミラクルソル協会と4協会で毎年実施しています。最後までのご聴講を宜しくお願いします。」と挨拶した。

講演の様子 ミラクルソル協会理事長 日本建設技術㈱ 社長 原裕
講演の様子
ミラクルソル協会理事長
日本建設技術㈱ 社長 原裕
 原理事長の講演は、「環境と防災とミラクルソルで目指すグリーン社会への挑戦」と題し、佐賀県の平均気温について1928年15.2°C、2018年17℃と90年間で1.8℃気温が上昇し、東京都については3℃程度気温が上がっている。発注機関についても費用だけではなく環境に配慮した工法を採用してほしい。このように温暖化が進むと農作物70品目に影響が出ているし、漁業についても回遊魚の生息地域が北上している。社会全体で温暖化について考えていく必要があるのでないか。と説明した。2021年7月3日静岡県熱海で発生した盛土の土石流について解説し、造成等の盛土箇所においても、定期的な点検やメンテナンスが必要ではないかと解説しFWG盛土造成と排水工法について解説した。また。環境工法の説明では、FWG・ウッドチップ工法について、現場発生木材・間伐材をチップ化しミラクルソル(2~10㎜)を混合させた基盤材を法面吹付工に使用することで木材の処分費用等が掛からない工法であると説明し、ミラクルソル工法では、環境負荷低減にはミラクルソルの特徴・特性を説明し、FWG・透保水性舗装工法・インターロッキングブロックの効果・路面温度の低下の仕組み・工夫など実例を交えて説明した。
講演の様子 日特建設㈱ 技術開発本部 知財・戦略部 山梨 太郎ICT上級主任
講演の様子
日特建設㈱ 技術開発本部 知財・戦略部 山梨 太郎ICT上級主任
【10:30 ~ 12:00】
 日特建設㈱技術開発本部 知財・戦略部 山梨 太郎ICT上級主任は「法面工事におけるICT技術の活用」と題し、国土交通省のICTへの取組として、省力化・効率化・自動化を目的にロボット・AI(人工知能)・UAV(ドローン)・BMI(3次元モデル)・CIM(BIMを土木へ活用)を活用することであり、その中でICT法面工(吹付法面工)UAV・TLSにより3次元測量を行いそのデータを活用しパソコンを使用し計測することにより現場での作業を少なくすることができる。と説明しまた、実際の現場での作業を実例に沿って解説した。スロープセイバー工法では、バックホウに吹付アタッチメントを組合わせることで直高17m迄の斜面を施工することが可能で施工面積3,500m2での比較で人件費で50~70%圧縮でき、工期では30~70%を短縮できる。と説明し削孔機マシンガイダンスシステムついても説明した。
講演の様子 サンスイ・ナビコ㈱九州営業所 堀江代理
講演の様子
サンスイ・ナビコ㈱九州営業所
堀江 靖 所長
【13:00 ~ 14:30】
 サンスイ・ナビコ㈱営業開発部 和田亮、九州営業所 堀江所長は、「グラウンドアンカー健全度調査事例及び、SSL・Fixrグラウンドアンカー工法の紹介」と題し、実施したアンカー健全度調査の実施例を紹介し、既設アンカーの問題点を説明した。また、SSL・Fixrグラウンドアンカー工法ではSSLアンカー工法の開発動機及び、先端圧縮型、拡孔支圧型の解説。Fixrアンカー工法では既存のアンカーとの違いやメリット、斜面・アンカー変状計測システム「ECOM」の説明では、設置後の計測ボックスの読み取りには技術等は必要なく、ほぼ永年使用可能で電源も必要としないと説明した。
講演の様子 (一財)砂防フロンティア整備推進機構 今井一之理事
講演の様子
(一財)砂防フロンティア整備推進機構
今井一之理事
【15:00 ~ 16:30】
 特別講演では(一財)砂防フロンティア整備推進機構 今井一之理事により「防災・減災、国土強靭化5ヵ年加速化対策とこれからの砂防」と題し、内閣府による令和2年度世論調査において「砂防行政における最近の取り組みとして気候変動の影響による水問題への行政に力を入れてほしいこと」のアンケートにおいて洪水・土砂災害防止施設の整備に最も高い78.5%の回答を得た。国民の関心が大きいことがうかがえる。静岡県熱海市における土石流等の映像を交えながら規模・被災状況を解説し、土砂災害対策により地域社会の「いのち」と「くらし」を守る対策として、地域主体の自助・共助を積極的に支援しハード・ソフト一体となった流域治水型砂防事業を展開し、社会全体の強靭化を図ると説明された。また、砂防を活かした地域の取り組みとして長野県では砂防ダムツアーを開催し砂防ダムを観光資源として活用されており、山形県・岐阜県・秋田県でも砂防施設で同様の取組みが行われている。このような活動が砂防施設・機能の幅広い周知に貢献しているのではないか。と説明された。
講習会の様子
会場の様子
パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子
日本建設技術㈱パネル
日本建設技術㈱パネル
日特建設㈱パネル
日特建設㈱パネル

企画情報推進本部 武冨 友徳  記

九建日報(2023.02.10)
佐賀建設新聞(2023.02.14)
建設通信新聞(2023.02.14)
C-net通信さが(2023.02.15)

キーワード:
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