水と土と緑を創出するミラクルソル工法
ミラクルソル工法とは、日本建設技術株式会社が開発・製品化した、容器包装廃棄物である空きビンをはじめとするガラス廃材を用いて作られたリサイクル製品「ミラクルソル」を使用した環境にやさしい工法です。
ミラクルソルとは
ミラクルソルとは、日本建設技術株式会社が開発・製品化した、容器包装廃棄物である空きビンをはじめとするガラス廃材を用いて作られた地球環境にやさしい多目的環境材料です。
現在、水環境・環境緑化・環境土木の各分野にて注目され、有効活用されております。
別名、FWG(Foamed Waste Glass)。
ミラクルソルの特徴
- 空きビン等のガラス廃材を再資源化したリサイクル製品で環境負荷の低減に貢献します。
- 多孔質間隙構造を有し,軽量・強固です。
- 連続間隙構造と独立間隙構造があり比重が0.3~1.5に調整できます。
- 連続間隙構造は吸水性・保水性に優れ(吸水率100%以上),斜面緑化や岩盤緑化・屋上緑化の保水材に用います。
- 独立間隙構造は非吸水性のため(吸水率10%以下),軽量盛土材料・軽量骨材・地盤改良材等の建設材料として用いています。
ミラクルソルの形状
吸水率100%以上
吸水率10%以下
ミラクルソルの生成工程
高機能ミラクルソルの開発・商品化
セラミックスFWG
セラミックスFWGとは
ガラス粉末と比重調整用に粉砕した磁器廃材を配合し焼成した水に沈む発泡廃ガラス材
セラミックスFWGの用途
水域底部に敷き込んで行う水質浄化
ガラス系ゼオライト(FWG-GZe、FWG-PZe)
ゼオライトとは
- 吸着機能:
- 分子レベルの細孔が多数あり、いろいろなものを吸着する性質を持っています。
- 陽イオン交換機能:
- K+、Ca2+などの金属イオンやCd2+などの重金属イオンを大きく保持・交換します。
- 触媒活性機能:
- NOxの分解・石油精製などの触媒機能を有します。
ガラス系ゼオライトとは
ミラクルソルの表面をゼオライト化することで、重金属の吸着が可能になるなど、ミラクルソルが高機能化します。
多孔質な特性をもつミラクルソルの表面をゼオライト化すると、双方の相乗効果で水処理性能が向上します。
ミラクルソルの機能(高保水性、水質浄化能)
+
ゼオライトの機能(重金属吸着、陽イオン交換、保肥性etc)
ガラス造粒ゼオライト(FWG-GZe)とは
ミラクルソルの内部機構表面を付加価値のある陽イオン交換容量(CEC値)50~100(cmol/kg)以上のゼオライトへ転換
ガラス粉末ゼオライト(FWG-PZe)とは
2mmアンダーミラクルソルを付加価値のある陽イオン交換容量(CEC値)250(cmol/kg)以上のA型ゼオライトへ転換
FWG-GZe、FWG-PZeの用途
機能 | 用途 |
吸着 | 水質浄化(排水処理) 脱臭(畜産、ペット糞尿) 有害物質吸着(農薬、ダイオキシンなど) |
陽イオン交換 | 農業・園芸(肥料用、屋外・斜面緑化基材、砂質土壌等の保肥性向上) 水質浄化(農業用水・養魚場・湖沼の水質改善) 多機能性コンクリート(生態系コンクリートブロック) |
リン回収工法
我が国の農業形態の在り方に大きな影響を及ぼし枯渇すると言われているリンについて、下廃水からのリン回収技術が注目されています。本技術は、まず廃水中のアンモニアをゼオライトで吸着し、リン酸をハイドロタルサイトで吸着します。それぞれ飽和吸着に達した時点で、アルカリ食塩水一液を用いた共役的脱着により各々を脱着して、一液中にアンモニアとリン酸を集積します。集積されたアンモニアとリン酸溶液にマグネシウムを添加することで、容易にリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)が結晶化し、リン回収が可能となります。
アスファルト中温化添加剤としての利用
アスファルト業界では、アスファルト混合物製造時の混合温度を低下させ、その加熱のために使用する燃料と排出されるCO2を削減する中温化技術として、合成発泡剤を資材とした中温化工法が注目されています。その中の発泡剤の一つで、吸湿剤としても用いられる人工ゼオライトがあります。吸湿したゼオライトを加熱すると水蒸気を発生し、通常のアスファルトの加熱温度より低くても、アスファルトの流動性が良くなります。
陽イオンのイオン交換・吸着作用
ゼオライトは二酸化ケイ素からなる骨格を基本とし、一部のケイ素がアルミニウムに置き換わることによって結晶格子全体が負に帯電しています。そのため、微細孔内にナトリウムなどのカチオンを含み、電荷のバランスを取っています。粉末状にしたゼオライトを別の種類のカチオンを含んだ水溶液中に入れると、細孔内と水溶液中でイオン交換・吸着が起きます。
ガラス粉末ゼオライトによるセシウム、ストロンチウムの吸着特性
- セシウム、ストロンチウムを急速に吸着
- 純水条件下ではセシウムを97%以上、ストロンチウムを100%吸着
- ※吸着実験では放射性CsとSrは使用せず、安定同位体のCs及びSrを使用
- ※実験で使用した海水は玄海水産振興センター(佐賀県唐津市)の砂ろ過海水を使用
- ※吸着率等の算出には日本建設技術原子力学会バックエンド部会の「福島第一原子力発電所内汚染水処理技術のための基礎データ」を使用
- ※本実験は佐賀大学低平地沿岸海域研究センターと共同で実施
【セシウム、ストロンチウムの吸着実験結果データ】
測定時間(hour) | Cs吸着時間 | Sr吸着時間 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
溶媒:純水 | 溶媒:海水 | 溶媒:純水 | 溶媒:海水 | |||||
濃度(mg/L) | 吸着率(%) | 濃度(mg/L) | 吸着率(%) | 濃度(mg/L) | 吸着率(%) | 濃度(mg/L) | 吸着率(%) | |
0 | 9.988 | - | 5.647 | - | 9.236 | - | 10.413 | - |
0.25 | 0.120 | 98.8 | 3.627 | 35.8 | <0.0000 | 100.0 | 1.999 | 80.8 |
0.5 | 0.113 | 98.9 | 3.522 | 37.6 | <0.0000 | 100.0 | 1.650 | 84.2 |
1 | 0.242 | 97.6 | 3.486 | 38.3 | 0.000 | 100.0 | 1.393 | 86.6 |
3 | 0.119 | 98.8 | 3.471 | 35.5 | 0.006 | 99.9 | 1.352 | 87.0 |
5 | 0.205 | 98.0 | 3.579 | 36.6 | <0.0000 | 100.0 | 1.456 | 86.0 |
10 | 0.184 | 98.2 | 3.460 | 38.7 | 0.003 | 100.0 | 1.780 | 82.9 |
24 | 0.223 | 97.8 | 3.409 | 39.6 | 0.005 | 99.9 | 2,479 | 76.2 |
48 | 0.265 | 97.4 | 3.532 | 37.5 | 0.007 | 99.9 | 3,231 | 69.0 |
【セシウムCs、ストロンチウムSrの経時変化】